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フルリモートでも実践的に 新入社員向け資料作成研修を紹介

2020.12.05

アドベントカレンダー2020 研修・成長支援

入社6年目、事業開発部の白井と申します。事業開発部は自社新規事業を担当する部署で、特に最近はシステム(アプリケーション)の仕組みを検討したり、検討したことの説明を顧客へ行ったりしています。
社内外問わずコミュニケーションを取る機会は多く、PowerPointやAdobe XD、Googleスプレッドシートなどのツールを用いて、月に10~20件程度の資料を作成しています。

今回は、そんな私がフォルシアで新卒社員向けに行っている「資料作成研修」の内容と、フルリモート下における新入社員研修の取り組み事例に関して書かせていただきます。

この研修は、2018年度から新卒社員向け基礎研修の一環として行っているものです。新入社員研修に関してはこちらの記事をご覧ください。

うまくコミュニケーションできるようになってほしい

フォルシアでは、職種を問わずコミュニケーションの機会が多々あります。ビジネス系職種の業務の大半を、提案・説明などが占めています。企画営業はその最たる例で、システム概念図やアプリケーション構成図のようなシステムに関する資料を作成することも珍しくありません。
また、技術職においても、システムの概要や処理ロジックなどを、非エンジニアである顧客や社内メンバーにかみ砕いて伝えなければならない場面が多く生じます。

しかしながら、ビジネス上のコミュニケーションは往々にして上手くいきにくいものです。
種々のプロジェクトにおいて「先方の説明が理解できない」「認識が異なる」という問題が起こる例は、私のこれまでの経験上においても枚挙に暇がありません。

これは、双方が保持している情報量の差に起因するため、ある程度致し方ない側面もあります(特に企業間や異なる部署の間など)。

ですが、この「情報量の差」を効率的に埋め、検討の手戻り回数や本質的でない議論に割く時間を減少させることは、積み重ねとしてプロジェクトの生産性を向上させるはずです。
それを実現させるための一つの方法として、手軽に資料を作れるようになってもらいたいという思いから、この研修を実施しています。

これまでの取り組み

この研修では「意思疎通を助ける資料」を効率よく作成する方法を学ぶために、プレゼンテーション資料(スライドショー)の作成を題材として、以下の様なカリキュラムで講義を中心とした研修を行っています。

  • 資料の設計プロセス:資料の目的を明確にする、いきなりスライド作りから入らない など
  • 守りたいルール:文字フォント・サイズ、チャート・図、色、配置など
  • 効率的に作業するためのショートカットキーの使い方

この研修を一昨年、昨年と続けて行い、各回とも概ね「受講して良かった」という新入社員からの評価を得ることができました。

しかし、一定の手応えはあったものの、どうしても改善したいと感じている部分がありました。それは「実際にPCで作業してみる」というプロセスを組み込むことでした。「知っている」だけでなく、実際にやってみて「使える」状態にすることこそがこの研修の目的だからです。
講義後に自席に戻ってPCで作業してもらうことも試してみましたが、画面や音声などを同期した状態でフィードバックを行うことができない点が課題でした。

フルリモートが追い風に

さて、今年度の研修ですが、新型コロナウイルスの影響による出社制限を受け、フルリモートで実施されることとなりました。これにより、図らずも「1人1台手元にPCがあり、かつ全員が同期した状態」が実現されたのです。

このメリットを生かすために、研修の内容を一部変更し、実際にPCで作業をしてもらうコンテンツを設けました。方法はシンプルで、Googleスライドに「改善の余地があるスライド」を用意し、共同編集機能を用いて受講者にその場で編集してもらいます。その後、編集結果に対しフィードバックしていく、という形式です。
内容と例題、新入社員の回答例を掲載します。

研修のサマリスライド(実際に利用した資料)

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例題:以下のスライドを、内容はそのままに読みやすく編集してください(5分)

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※外部公開に際して、一部内容を変更しています

回答例

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なくても伝わる文を削除したり、本文のテキストがグレーになっている点に、読み手への配慮を感じます。読みやすくなっていて、良い感じですね。

やってみると簡単なことですが、それを実践できるかどうかが非常に重要です。
受講した技術職の新入社員からは「エンジニアとして、ユーザーインターフェースを考える際にも役に立つ」という声もあがりました。まさにその通りだと思います。

おわりに

新人研修をリモートで実施せざるを得なくなったことにより、世間ではその成果に関して懸念の声もあるようですが、私が担当している研修ではむしろ効果的に行えたと考えています。また、講義型の研修においては「プロジェクターで映写されたスクリーン」と「手元のモニタ」という、講義資料との物理的な距離の違いもプラスに働く要素だったように感じます。

前例のないプロセスを経験した今年度の新入社員達ですが、適応力を高められたと捉え、自信をもって以後の業務に励んでほしいと願っています。

この記事を書いた人

白井 雄大

事業開発部所属 2015年度新卒入社。
1年目、仕事に行き詰まり泣きそうになっていた際、先輩にカフェに連れ出される。
3軒のカフェを巡るも、全店キャッシュレス未対応で、現金がなかったためそのまま社へ戻った。
その後、旅行会社の営業、社内品質向上プロジェクトなどの担当を経て、現部署にて事業立ち上げに従事。